微弱な快楽から逃れる方法
動機
勉強しないといけないのに、5分程度の動画をYoutubeで無限に見たり、SNSを無限に見たりしてしまう、このループから逃れたい。
きっかけ
↑
昨日バズっていた「微弱快楽説」。
勉強しないといけないのに、SNSやyoutubeの無限巡回をやめられないのはなぜか。それは「微弱な快楽」に一定時間触れていると、「微弱な快楽を感じ続ける状態がデフォルト」だと脳がセッティングしてしまうので、止めた瞬間「微弱な快楽」が途絶え不快感を覚えるため、という説。
行動療法の学習理論によれば、連鎖化された反応を断ち切るには、直接的な強化と離れている「連鎖の初めのほうの反応」を除去するのが効果的だという。スマホを触るのを止めたければ、仕事場から自室へ帰ってきたとき指定の場所にスマホを置くなど先行拘束して、連鎖の初めの行動を止めることが有効だろう。
でも私が今からここに書きたいのは、先行拘束に失敗してすでに無限ループに入ってしまった後の脱出方法。
逃れる方法を一言でまとめると…
スマホから手を離して、15秒待った後、15分ゴロゴロして、2種類以上の微弱快楽を逐次投入しながら、快楽コスパのいい軽作業で、上昇感を得る
方法
1.「開始苦痛」を15秒味わう
ボク今、youtube無限に見てるなこれ
↓
スマホをポンと視界外へ放るようにして置く
↓
不快(開始苦痛)が発生
↓
15秒待つ
↓
身が焦げるようにして待つ
↓
ちょっと落ちつく
↓
スマホ触りたい欲求が少しなくなってるのに気づく
↓
15秒経過
↓
何もせずに15分くらいゴロゴロする(緩衝地帯)
↓
勉強
朝、目が覚めたけど眠い
↓
目をあけたまま天井を見る
↓
まぶたが重いよ(開始苦痛)
↓
15秒待つ
↓
目がしぱしぱするう
↓
ちょっと落ちつく
↓
15秒経過
↓
何もせずに15分くらいゴロゴロする(緩衝地帯)
↓
起きる
なぜ15秒待つかというと、
①遅延による価値割引(報酬は先延ばしにされるほど価値が下がるという性質)
②フロー状態の解除
が目的。
微弱快楽に漬けられている状態から、そのまま直接、勉強机へ行くのは圧が強すぎるから、段階的に推移する必要がある。そこで、
微弱快楽ループ→15秒停止→15分ゴロゴロする→勉強。
15秒待っていると、脳内がクールダウンしてくるのが実感できて気持ちいい。これだけでもやってみてほしい。
切り替えの感覚がクセになる。
コツは、決意をしないこと。
「15秒待った後、勉強しよう」などと、あとで勉強することを織り込み済にしたような"負荷のある15秒"だと、15秒に入ること自体を躊躇してしまって意味がなくなる。
水が入ってくるみたいに、すーっと15秒に入る。透明な15秒。
15秒後のことは、15秒後の自分が決める。
15秒だけはニュートラルな状態。
何も考えずに、ぼーっと待つ。
価値中立一元論。
これが難しい。
前のめりで待つと失敗する。
2.スマホを視界外へ除去
スマホの除去については5年前の記事に書いているから省略。
3.微弱快楽のカクテルパーティー開催
なんとか机の前に座った
↓
2つ以上の微弱快楽を逐次投入
↓
「認知負荷のかからない聞きなれた好きな音楽を流す」、「準備に時間のかからない白湯飲む」など、五感の要求を満たし、なおかつ作業負荷のかからない微弱快楽を2つ以上投下する。
↓
いろんな快楽を、大脳内部でかき混ぜることで、その組み合わせ次第で、快楽の総量はその単純な総和よりも多くなる。2種類以上の微弱快楽をぶつけたときにだけ現れる交互作用を活用。カクテルパーティーの開催。
元記事によると、別の微弱な快楽を求めて布団から身を起こすようになると、書いてくださっているけど、私は、それはない。
強烈な快楽をともなうマスターベーションに対してすら、それを保留してスマホをいじりつづけることがあるので。
それはなぜかというと、快楽コスパがいいから。
疲れているときはマスターベーションするよりも、スマホをいじっているほうが、労力が少ない分、相対的に快楽が大きい。
なので私は、微弱快楽下のスマホ快楽にはどうやったって負けると思うので、スマホのほかに微弱快楽があるから勉強しようねとはどうしてできなくて、それよりも15秒→15分、で開始苦痛をまず除去した上で、ニュートラルな状態からの快楽の逐次投入という迂回路をとった。
快楽についてはこの記事がよかった。
あとこの記事も。
4.軽作業の下準備
机の前に座ったけど、やる気が出ない
↓
10秒以内に完了する軽作業を遂行
↓
そういう軽作業がないなら、分割して準備しておこう
↓
私の場合、「読書中、キュンとくる専門用語や論理過程があったとき、それをノートに殴り書きしたい欲求」があるので、勉強中はあえてノートに書き写さずに本に付箋だけ貼っておいて、この10秒作業のときに、付箋のついたところの単語を見つけて、何も考えずにただただノートに写経。脳みそを使う必要がない。機械的な単純作業。肉体労働に近い。1単語書きだすたびに、タスクが完了したことによる報酬系発動。側坐核の作業興奮。「実際にやるべきことはやってるしな、うん」感。微弱な進捗感ある。だらだらしてるのに進む。上昇感が全てを解決する。勉強の悩みは、勉強の中でしか解決できない。人生のテーマが勉強なら、勉強に関する軽作業を準備しておこう。
使用状況分析ツール
Youtubeを見た時間を計測してくれるアプリ。闘うことの第一歩は現状分析から。
~やらない、を、~やる、にずらす
寝っ転がってスマホをやらない、じゃなくて、本読みながらスマホやる、とかにずらす。
代替的な微弱快楽へすりかえる。
コーヒーを飲まない、じゃなく、紅茶飲む。
その他
書くのがつかれてきたので、書こうと思ってたこと、箇条書き。
- だんだん楽になると考える。高所恐怖症の人に、つり橋の上で「今の不安の気持ちは、今後どういう折れ線グラフになりますか?」と聞いたら、云々。強烈な不快感はいずれ下降線をたどる。
- 欲求の波を感じる。体に感じる感覚が強くなったり、弱くなったり、どのように反応しているか見る。
- わるい習慣をやめたいとき、いきなりやめるのではなく、日によってバラツキがないようにすることから始める。
- 面倒なことほど習慣にしたら楽。
- youtube無限巡回することに罪悪感を持たない。理想と現実の不一致、認知不協和、ストレス反応、闘争逃走反応で悪循環に。自己コントロールしたいなら、罪悪感は効果が低い。
- 崩壊はささいな選択から始まる。ふとyoutubeを見始めた、その選択から始まる。
- 「3時間勉強する」ではなく「乗月さんは今日は3時間勉強できるかな?」と疑問形にして自己教示
- ルール違反の形跡を見ただけで、衝動に負けやすくなる。
ブログ書くの4年ぶりか。